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2012年12月20日号

1;骨材新ルート開拓~仙台の生コン

 宮城県仙台地区では骨材の需給ひっ迫に対して地元外から骨材を入手するルートが開かれつつあり、生コンの供給能力もひと頃より上向いてきている。今後も工事発注機関、関連業界と連携しながら骨材の物流施設確保などの課題に取り組む姿勢だ。
 仙台地区の生コンは災害復旧復興の防潮堤建設向けなどが出て需要が上向いているが、今年の夏前から砂の供給が絞られるようになって生コンの生産も制約を受けており、その状態は現在も続いている。砕石の需給もひっ迫して、工事発注機関、建設業界にとっても見過ごしにできない問題になっている。
 骨材不足に対して、今年夏頃からセメントメーカーによって地元外の骨材が月1万トンほど海上輸送で供給されるようになっているほか、生コン業界はさらに地元外骨材を海上輸送で受け入れるため、港の揚げ場、置き場が確保されるよう県に要望してきている。
 ただこれまでのところはまだ仙台港あるいはその他の港湾に骨材を流通させる揚げ場、置き場が確保されるに至っていない。そういうなかで12月から複数のセメントメーカーのSS敷地を利用する物流ルートが開かれることになり、海上輸送で受け入れる砂および砕石は、従来からの受け入れ量と合せて月3万トンに増えることになった。仙台地区生コンクリート協同組合の組合員工場14工場のうち6工場が地元産に加えて地元外骨材も使用するようになる。
 仙台地区協組の生コン出荷は、今年度上期は35万m3で月平均は約6万m3。下期に入り月8万~8万5千m3へと増えているが、その背景には地元産の砂の供給が上期に比べてやや増えているということがある。さらに12月から地元外の骨材の供給量が増えることで、生コンの供給力は月10万m3弱くらいまで増強される。仙台地区の生コン業界はさらに生コンの供給能力を高める必要があることから、骨材の新たな揚げ場、置き場を確保するための取り組みを続けている。
 仙台地区の生コンが使用している地元産骨材の価格は、今年も春と秋に引き上げられている。仙台地区の生コン価格は昨年以降の原価高を反映して1万2千円(21・18・20)まで上がっているが、今後地元外骨材の使用が進むなどの原価高があれば生コン価格への波及が避けられない。