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2012年12月06日号

1;千葉砂の海上輸送ストップ

 1都3県の生コン、コンクリート製品工場で主要な細骨材として用いられている千葉砂を運ぶ船業者が6~7日、運賃の改定を求めて千葉砂の輸送を停止する。これまでも千葉砂生産者が主導して羽田空港拡張工事前などに、骨材供給を止めるケースはあったが、船業者が自発的に止めるのは初めて。船業者は千葉砂以外の骨材も輸送しているため、今後東京湾内で流通する全ての骨材に波及する可能性もある。
 今回出荷を停止するのは千葉県内航海運組合の組合員。同組合員の船舶は東京湾内における砂船輸送の80%を担っている。近年は運搬コストの上昇、船舶の老朽化、船員の高齢化が進み、廃船や廃業を行う船主が増えている。現在の船舶数はピーク時(1990年)の約4割(52隻)となっている。骨材輸送船の償却期間は一般的に14年とされるが、組合員の保有する全ての船舶はこれを超過しており、「いつ輸送が困難になってもおかしくない状態」(組合)という。
 組合は「現行運賃では修繕費、ドッグ、検査代などの維持費さえ賄えない」として、千葉砂生産者らに現状維持費としてトン当たり100円の運賃値上げを求めていたほか、10月から生コン協組にも運賃是正への理解を求めてPR活動を行った。
 今回の輸送停止では、船業者が事前通告を行ったこと、千葉砂以外の骨材は輸送するため影響は少ないとみられる。ただ、運賃改善の成果が出なかった場合には、再度出荷停止を行う構えだ。
 首都圏では内陸の砕石業者も値上げを行っている。先行した東京や神奈川で成果が出てきたもよう。栃木や茨城、埼玉の砕石業者も売価改善に動いている。