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2012年10月04日号

1;生コン値上げ 広がる~関東一区

 関東一区で生コン値上げの動きが広がってきた。神奈川県内の神奈川、湘南、横須賀地区各生コン協同組合が11~12月にかけて販売価格を引き上げる。千葉中央生コン協同組合は1万円の確保をめざし、値上げを段階実施する。千葉・木更津地域の山砂業者が値上げを打ち出すなど骨材価格の上昇が見込まれ、加えて、輸送経費も膨らんでいることから、そうしたコストアップ分を転嫁する。
 関東一区では昨秋から今春にかけて共販事業を実施するほとんどの生コン協同組合が販売価格を改定した。値上げ額は500円を中心に、最大1000円。今春以降、湘南協組エリアの厚木・平塚、千葉北部協組エリアの松戸・柏、埼玉中央協組エリアのさいたま、練馬・板橋で建設資材調査機関の表示価格が200~300円引き上げられている。
 コスト転嫁の値上げだが、員外社の販売攻勢や組合員の足並みの乱れで下落に転じた市況に歯止めをかける目的もあり、その成果は概ね出てきている。ただ、ゼネコンの抵抗は強く、従来の市況水準まで押し戻すのに難渋する協組が目立つ。
 湘南協組は11月1日以降の新規引合分から販売価格を800円引き上げる。500円上げた11年10月以来、13か月ぶりの値上げ。建値は据え置き、仕切価格1万1000円(18・18・20)とする。当初は1000円で打ち出す予定だったが、自助努力で200円を吸収する。需給タイトを背景に、骨材業者が値上げ攻勢を強めており、コストアップは必至の情勢という。同協組は、値上げ前の引合も数百円の底上げを図る。
 横須賀地区協組も同日以降の新規引合分から700円上げる。うち600円が骨材価格の上昇分。建値1万2200円、仕切価格1万1200円とする。役所向け建値は1万3200円。
 神奈川協組は12月1日以降の新規引合分から800円引き上げ、最終需要家渡し希望価格を1万1000円以上に改定する。2日に開いた販売店会議で正式に表明した。
 これまでの協組による市況対策で安値はほぼ解消された。今回の値上げで5ケタへの復帰を目論む。個別物件対策の強化など「機動性」を高めて目標達成をめざす。
 県下では、共販未実施の神奈川西部協組の組合員が10月から500円値上げに取り組んでいる。
 千葉中央協組は年内に仕切価格9500円をかため、1~3月に1万円の獲得をめざす計画。また、埼玉中央、埼玉北部両協組も値上げを視野に入れるが、打ち出しは年明け以降になる公算だ。