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2012年07月05日号

1;生コン需要 9500万m3予測~国交省

 国土交通省は6月29日に発表した2012年度の主要建設資材の需要見通しで、生コン需要を前年比8・0%増の9500万m3、セメント需要を7・9%増の4600万トンと予測した。東日本大震災の復旧・復興工事に加え、都市部の民需が堅調に推移するとして、それぞれ2年連続の増加とした。この予測を裏打ちするように、全国生コンクリート工業組合連合会、同協同組合連合会(全生連)が29日に発表した5月の生コン出荷量(員外社は推定)は1989年の統計開始から初めて、単月の総出荷が前年同月比2割増となり、需要回復が鮮明になってきた。
 建設資材の需要見通しは、同省が22日に発表した建設投資見通し(実質値)、建設資材ごとの原単位(工事費100万円当たりの建設資材需要量)と、各資材の需要実績から推計した。今年度のセメントや生コンの需要は建設投資(7・9%増)とほぼ同等の伸び率と予想した。東日本大震災や昨年の台風被害のあった地域の復旧・復興工事、首都圏などの都市部での民間需要が堅調に推移するため。
 国土交通省の生コン需要見通しは全生連の予想8206万m3より1300万m3多い。全生連は現在の予想を「堅めの数字」としており、今年度は「9000万m3+α」になるとの見方を示している。今年度の生コン需要が9000万m3台となった場合、08年度(1億100万9千m3)以来4年ぶりに8000万m3台から脱する。セメント需要もセメント協会の見通しに比べ300万トン多い。
 一方、骨材は東日本大震災の被災地における復旧・復興工事での出荷増を予想して投資額よりも1%超上積みし、9・4%増の2億5600万m3とした。この予測値が当たれば、2001年度以来11年ぶりの前年比増となる。骨材のうち、砕石の需要想定は9・1%増の1億2500万m3で、骨材の48・8%を占める。