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2012年06月07日号

1;2年ぶりに共販再開~札幌協組

 札幌生コンクリート協同組合(岡本繁美理事長)は1日から共販を再開した。共販価格は1万1000円(21・18・25)で建設物価の表示価格に対して3000円アップとなる。北海道の中心市場である札幌の市況は他地区に及ぼす影響は大きい。同協組の共販再開で、札幌の生コン市場の正常化が期待されている。
 同協組は出荷量の急減と組合員間のシェア問題などを要因に09年3月末で共販事業を停止していた。その後、価格競争の激化で市況は一時5000円台にまで下落し、組合員1社が自己破産するなど実害を被るケースも出ていた。また、今年3月に協組を脱退した生コン会社が全国で生コン工場を展開する販売店に工場を売却する動きもあった。
 同協組は昨年12月に再建委員会を立ち上げて共販再開に向け具体的な協議を続けてきた。過去の経緯と現状の出荷を踏まえて新たにシェアを設定し、1万1000円を共販価格とすることで合意した。さらに、員外社との組合加入交渉を進め、旧組合員の4社との間で合意を得て、先月15日の理事会で加入を承認した。市場における同協組の組織率が向上したことで、懸案だった共販再開のメドがついた。
 また、先月28日に開いた通常総会で再建委員会の座長を務めた岡本繁美氏が新理事長に就任。岡本氏が理事長となったことで共販再開に向けた動きは加速、2年3か月ぶりの再開にこぎつけた。
 販売は、共販停止前と同様に札幌生コン卸協同組合を主力販売先とする方式に戻す予定。岡本理事長は「生コンは製造業。ユーザーにより良い品質の生コンを供給することに徹するために販売は札幌生コン卸協同組合などにお願いするかたちを取りたい」との考えを示しており、卸協組と協議を続けている。