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2023年11月16日号

2;営業黒字に転換~セメント4ー9月

セメント大手3社の2023年4~9月期の連結決算は営業損益がそろって黒字転換した。5000円のセメント値上げが浸透したことに加え、セメント焼成で低品位炭の利用を増やすなどの原価低減努力で採算が改善した。経常損益、最終損益も黒字化した。ただ、国内セメント事業は太平洋セメントが60億円の赤字、住友大阪セメントが31億円の赤字となっており、業績回復は道半ば。下期以降、値上げ効果が一段と発現し、来年度は石炭暴騰前の巡航速度に戻る見込みだ。とはいえ、セメントの国内需要の不振、エネルギーコストの高止まりなどの懸念材料もあり、視界が完全に開けたわけではない。価格政策の構築を含め国内セメント事業の抜本的な強化が、これからの焦点になりそうだ。