文字サイズ(変更方法 文字サイズを大きく 文字サイズを小さく
2017年07月13日号

1;東京生コン協組が値上げ~3年半ぶり

東京地区生コンクリート協同組合(斎藤昇一理事長)は11日、生コンの販売価格を12月1日以降の引合受付分から1000円上げると発表した。生コンや原材料の輸送コストの上昇が理由で、希望販売価格は1万5600円(18・18・20)、諸々の費用を差し引いた実質の仕切価格は1万4100円となる。同日開いた登録販売店会議で値上げを申し入れた。来週から8月上旬にかけて理事が手分けして主要ゼネコンを訪れ、理解を求める。

10日に開いた理事会で、2014年6月以来、3年半ぶりの値上げを決めた。

斎藤理事長は、「輸送力不足による資材の値上げ、生コン輸送コストの上昇」などが値上げの理由としたうえで、「(自助努力で)吸収できないコストを価格に転嫁する」と語った。

コンクリートミキサ車の運転手不足が深刻化している。生コン出荷の低迷で稼ぎが減り離職する運転手が増加。労働者供給組合やリース車両のウエイトが高まったことで、輸送コストが膨らんでいる。運転手の高齢化も頭の痛い問題だ。同協組の調査によると、30歳未満が2%強の一方で、60歳以上が約23%を占めている。

輸送力低下を背景に、原材料メーカーからも値上げを求める声が強まっている。同協組の組合員ベースで粗骨材4割、細骨材3割のシェアを持つ栃木砕石事業者は10月1日からトン当たり600円の値上げを打ち出している。ダンプ運転手の3人に1人が60歳以上と高齢化の進行に加え、深夜運搬になる東京向けは不人気という。

千葉砂を運搬する内航海運組合からの値上げ圧力も強まっている。ガット船の維持・更新、若手船員の確保などが理由だ。

生コン事業を支える物流ネットワークを維持するためのコストに加え、プラントの老朽設備の更新など事業継続のための経費も織り込んだ。

斎藤理事長は「1000円は何としてでもとりたい」と満額浸透を目指す。