文字サイズ(変更方法 文字サイズを大きく 文字サイズを小さく
2017年05月11日号

1;過去最低の8391万㎥、昨年度生コン出荷

全国生コンクリート工業組合連合会、同協同組合連合会が4月28日発表した2016年度の生コン出荷量(非組合員は推定)は前年比3・6%減の8391万2千㎥と、これまで過去最低だった10年度実績(8527万8千㎥)を下回った。官公需は6・4%減の3483万㎥と、2年連続で過去最低を更新した。民需は1・5%減の4908万2千㎥で総出荷、官公需、民需いずれも3年連続のマイナスだった。出荷構成比率は官公需が41・5%、民需が58・5%と、民需が1・2ポイントアップした。

地区別では北海道を除く9地区でマイナス。北海道は新幹線や都市部の民需がけん引し8・1%増の346万2千㎥だった。一方で関東一区、関東二区、北陸、東海、中国、四国、九州の7地区では過去最低となった。関東一区は年度当初に期待されていた東京オリンピック・パラリンピック関連工事の着工が遅れたほか、鉄筋工・型枠工の不足、生コンの使用原単位の低下などの要因が重なり、2・5%減の1996万1千㎥と、過去最低だった09年度実績(2002万4千㎥)を下回り、2000万㎥の大台も割り込んだ。東海は1000万㎥、中国は500万㎥を割り込んだ。東北は、被災地で復興需要がピークを過ぎた地域が増えたこともあり、9・7%減の866万9千㎥となった。

全生連は17年度の生コン出荷量を8115万5千㎥と、前年比3・3%減を見込んでいる。生コン需要と連動性が高いセメントはプラス予想だが、全生連は今後本格化が予想される五輪工事について「当初生コンを使用する予定だった物件でも工期の関係上、プレキャストコンクリート製品の使用などに切り替わる恐れがある」としマイナスが続くとみている。昨年度の大型補正予算の影響で官公需が増えるとの見通しもあるが、「昨今の出荷構成は、民需の割合が高まっており、楽観視できない」と需要予測が慎重な数値になった理由を説明した。