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2017年04月06日号

1;拡張する大阪広域生コン協組

生コン販売で日本最大の大阪広域生コンクリート協同組合(大阪市、木村貴洋理事長)が事業エリアを拡張している。1日付で隣接する神戸生コンクリート協同組合(神戸市)の全組合員13社14工場が新たに加入し、兵庫の中心である神戸・明石地域を組み入れた。北摂地域や淡路島の生コン事業者も大阪広域協組への加入意思を表明しており、今後数か月で広域化がさらに進行する見込みだ。

大阪広域協組に結集する形で市場混乱に終止符が打たれてから1年余り。95%を超える市場占有率を背景に、1万円前後で陥没していた市況を1万3800円(18・18・20)まで押し戻した。

大阪広域協組は、値戻しの最終工程として1日以降の契約分から販売価格を1万5800円と2000円引き上げるとともに、今後予想される原材料値上げや人件費、運搬費などの上昇に備えて、価格表のベース価格を1万5800円から1万8500円に引き上げた。2019~2020年にかけて期間契約を組み合わせた形で1万8500円の実現を目指す構え。

事業エリアは大阪を越え、播磨地方へと張り出している。それに伴って組合員数も増加の一途で、昨年末に105社125工場だったのが、年明けに111社133工場となり、神戸協組員が加入した1日時点で124社147工場と4か月で2割近く増えた。

大阪広域協組は、神戸・明石地域での販売価格について、1日以降の契約分から1万3800円、来年4月1日以降の契約分から1万5800円と1年遅れで一本化を図る。それに先立って7月をメドに神戸協組を大阪広域協組の共販体制に包含したい意向だ。神戸協組は40年の歴史に幕を下ろす。同協組の生コンを一括購入する神戸生コン販売卸協同組合も解散するもよう。

大阪広域協組の巨大化はまだ止まらない。北摂地域の5社、淡路島の5社からも近く加入申請書が提出される見込み。3年前に姫路生コン協組が解散するなど組合活動が停滞する明石以西への展開も視野に入れている。木村理事長は「要請があれば再構築に貢献したい」と語っている。