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2017年03月02日号

1;石井国交大臣に聞く国土交通行政の現状と展望

石井啓一国土交通大臣がコンクリート新聞のインタビューに応じ、セメント、生コンクリート業界が普及活動に力を注ぐコンクリート舗装について、高耐久性やライフサイクルコストの縮減などのメリットを活かし、「適材適所の観点から活用を進めたい」と述べた。「i―Construction」ではコンクリート工の生産性向上を図るアプローチの1つとして、流動性を高めたコンクリートの活用に関するガイドラインを今年度末までにとりまとめる方針を示した。

コンクリート舗装について、メリットの一方で「いったん敷設すると掘り返しが難しい」と課題も指摘したうえで、「そうした特徴を考慮に入れ、ライフラインの地下埋設のない地方部のバイパスや自動車専用道路でコンクリート舗装を採用していきたい」と話した。

自治体への展開については「道路メンテナンス会議を通じてコンクリート舗装の有効性の周知に努めている」と述べた。

建設現場の生産性向上を目指す「i―Construction」は、①ICT(情報通信技術)の全面的な活用②コンクリート工の標準化③施工時期の平準化の3つの柱で構成されている。土工工事から導入を始めたICTについて、来年度以降は橋やトンネルなど活用工種を広げていく方針だ。

コンクリート工の標準化について、「工場生産品の活用を広げつつ、現場打ちとプレキャストコンクリートのメリットをそれぞれ活かして生産性を高めていきたい」と強調した。

作業の効率化につながる技術・工法のガイドラインの作成や発注規定の見直しに取り組んでいることを紹介。これまで一律8cmで決まっていたコンクリートのスランプについて「個々の構造物に合ったスランプに設定できる形に改め、来年度から適用したい」と話した。