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2016年06月30日号

1;人材育成・確保に注力~全国生コン連合会

全国生コンクリート工業組合連合会、同協同組合連合会(阿部典夫会長)は23日、都内で通常総会を開いた。今年度の事業計画で新たにコンクリート主任技士の資格取得支援、人材育成・確保対策、生コンクリートの品質に関する調査研究を盛り込んだ。

今年度の目玉事業は人材の育成と確保だ。全生連ではこれまでも各工組が開催するコンクリート主任技士の資格取得支援講座に講師を派遣していた。今年度はこれをさらに後押しするため、各工組が行う資格取得支援講座の講師向けの研修会を8月4日に都内で開催する。また、組合員工場や認定共同試験場の新入社員(職員)向け研修プログラムも作成し、将来の生コン業界を担う人材を育成する。

人材確保策としては、生コン産業の社会貢献の認知度を向上させるパンフレットの作成やホームページの充実を図り、対応する。

技術的な検討課題として、生コンの品質に関する調査研究が盛り込まれた。昨年度実施した「生コンクリートの実態調査」に基づいて、多様化、高機能化するニーズに対して現状の対応状況を分析する。また生コン工場におけるスラッジ問題などの環境保全対策に関する課題も検討する。

コンクリート舗装については引き続き、発注官庁に採用を要請する普及活動を進める。また、舗装用コンクリートの強度管理の省力化に向けて、曲げ強度試験を圧縮強度試験で代用できるようZKT化を進める。

生コンJIS(A5308)の改正作業については、全生連は14年度から独自にJIS改正・制定準備委員会を設置していたが、今年度は経済産業省からの受託事業として、同委員会を改組して改正調査研究委員会を設置する。19年に予定されているJIS改正原案のたたき台を作成する。

また総会で吉川卓志理事、徳永崇英理事が退任し、村岡兼幸氏(東北)、小峰重夫氏(東海)を新理事に選出した。

総会のあいさつで阿部会長は生コン出荷量が減少し厳しい経営環境にあると言及し、「今後はより高度な集約化の推進と需要の拡大に力を注いでいく」と述べた。また、今年度に会長の諮問機関としてCSR・コンプライアンス会議を設置したことを報告。同会議の活動によって、3年前に行った「組織改革の魂を入れる」と表明した。

総会では、i―Construction(アイコンストラクション)におけるプレキャスト化の推進などに関して、阿部会長の見解を求める質問が出た。阿部会長は「今後製品業界との話し合いの場を持ちたい。また、低炭素型の生コン製造など差別化が図れるものにも積極的に対応していきたい」と回答した。